気功 鍼灸 整体なら名古屋近郊、日進市赤池のスペース自然
操体法では、まず、全身を観察し、触れ、動かして、痛みの根本的な原因を探し出します。痛む処は気になるけれど、患部はできるだけ、そっとしておきます。根本治療を怠れば、その場は良くなってもすぐに再発するからです。患部を下手にいじれば、さらに悪化することもあります。
原因は、患部とかけ離れた思いもかけない場所に隠れている場合も少なくありません。体のいろいろな処を、ねじったり、横に曲げたり、前後に動かしたりしてみると、痛んだり動きにくい処があります。
それを、見つけたら、痛い方向と逆の方向にゆっくりと動き、気持ちよさを味わい、脱力します。たとえていうなら「伸び」みたいな感じですね。
いつまでやるのか、何回やるのかは自分の気持ち良さで決めます。
本来、傷でも病気でも治る力を発揮するるのは「あなたの・か・ら・だ」。私でもなく、あなた自身でさえありません。
つらい動きがある時、その逆方向に現れる気持ちよさは、なおる方向をしめしています。気持ちよさがなくなったらもうしません。「伸び」と同じで、気持ちよいと感じるだけの長さと回数で、やればよいのです。それができれば、「体は勝手になおっていく」ということです。
私は、気持ち良い動きを探すお手伝いいをします。骨をボキボキ鳴らしたり、痛みを与えることはしませんし、癒しのマッサージをするわけでもありません。ただ、動きに抵抗をあたえてより、気持ちよく感じられるように支えることはあります。
操体は、自分でやれる治療。二人でもできる治療。夫婦で、家族で、仲間同士で、健康づくりに取り組める素晴らしい技です。お金も薬も使わず、場所を問わず一人でもできる、何と素晴らしい技術でしょうか。
しかし、気持ちいいからといっても、やりすぎは禁物。後味が悪くなります。また、痛みを取り除くことにとらわれすぎ、「まだ、ここが痛い」「こうすると痛い」と、100点を追及すれば、いつまでたっても、満足することができなくなってしまいます。
操体法の創始者=橋本敬三先生は、四つのバルを戒めとされていました。頑バルな、欲バルな、威バルな、縛ルなです。頑張ろうという、向上心は時に人を追い詰め、安息と安心を奪います。欲は大切な時もあるけれど、度を越せば執着となります。プライドは、折れれば劣等感となり、高慢になれば嫌われます。命令ばかりして、聞く耳持たぬ、オレがオレがの人生は、いつか破滅を迎えるでしょう。
また、橋本先生は「60点で まずまずマにあっていれば充分だ」とも言われていました。
六十点で 「快適に満足して充分に生きてゆく」 ことこそ、操体の心得、人生の心得ではないでしょうか。六十点で満足する心があれば、七十点でも感謝できます。そして、体の痛み、苦しみについても、あってはならない存在ではなく、痛みは体や心の使い過ぎを教え諭してくれる大事な存在として受けとめる、そんな考え方が大切なのではないでしょうか。
「考えたってわかんネェ。ウソかホントか やってみなくちゃわかンねえよ。」
それが橋本先生の決まり文句でした。
今昭宏先生の今治療院ホームページから引用要約
イラストは京都の鍼灸師丸住和夫先生による
橋本敬三
明治三十年福島生まれ。新潟医専卒。あらゆる民間療法を研究し、昭和16年仙台市に温古堂を開業。昭和24年より48年まで赤門鍼灸柔道整復学校にて教鞭をとる。昭和50年ごろマスコミに取り上げられ、温古堂の先生の「操体法」が世に広まる。「万病を治せる妙療法」農村文化協会、「からだの設計にミスはない」柏樹社、「生体の歪みを正す」創元社など著書多数。平成五年没。